放送日: 2026-06-06 人・インタビュー

知り合いの家に帰ってきたみたいな──「きちきちさんのだいどころ」が作る、ほっとする昼どき

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番組名:あやみのふるさと再発見


「お邪魔します」じゃなくて、「ただいま」と言いたくなるお店がある。
コメリで買い物をしていたら、ふと気になって隣にあったお店に立ち寄ってみた。扉を開けたとたん、肩の力がすっと抜けた。
取材したパーソナリティがそう感じたのも無理はない。肝付町後田にある「きちきちさんのだいどころ」は、まさにそういう場所だ。

名前の由来は、家族会議から

「深い意味はないんですけど……」と笑いながら話してくれたのは、オーナーの吉松さん。「吉松の”吉”を取って、吉吉さん──きちきちさんのだいどころ、という名前にしました。奥さんと子供たちと考えて」。
家族みんなで考えた店名だから、吉松さんにとって愛着もひとしおだ。そしてその名前の通り、ここはどこか「家の台所」のような温かさがある。気取らず、押しつけがましくなく、ただご飯を食べに来た人がほっとできる場所。
「気を使わないような雰囲気作りをしています」という言葉が、お店の全部を言い表していた。

煮物弁当をリクエストする常連客

メニューはシンプルだ。とんかつ、チキンかつ、チキン南蛮、丼物、そして幕の内弁当。
「揚げ物のイメージが多いお弁当の中で、幕の内はバランスよくいろいろ入ってるので」と吉松さん。でも常連さんになってくると、もう一歩踏み込んでくる。
「煮物弁当を作ってください、って言われるんですよ」
揚げ物が主役になりがちなお弁当の世界で、煮物だけのお弁当をリクエストする人がいる。そしてそれに応えてしまうのが、きちきちさんの台所だ。
「内容をちょっと聞いて考えて作っています」という一言が、このお店の姿勢を物語っている。
食材にもこだわりがある。豚肉のとんかつには、地元・南州農場さんの豚肉を使用。野菜は「ミネサキさん」から仕入れていて、新鮮で綺麗なものを選んでいる。「なるべく飽きない味を」という言葉の裏に、毎日考え続ける丁寧さがある。

10代のアルバイトから始まった、食との半生

吉松さんが食に関わる仕事を始めたのは10代のころ。ホテルの朝食係、食材の運搬、夜の調理補助……アルバイトでずっと食の現場にいた。学生時代には、共働きの両親のために「あるものでチャーハンを作る」子どもだったという。
「ちょっと難度が高いですよね、チャーハンって」と笑うパーソナリティに、「結構作ってましたよ」と涼しい顔で返す吉松さん。その積み重ねが今のお店につながっている。
仕込みは朝7時から。予約が入っていれば、もっと早く起きる。「多い時で100個を目指したこともあったけど、体が持たなくて」と苦笑いしながらも、「地域のイベントや振興会で注文があれば100個でも作ります」とすぐ続ける。
頼まれたことに応えたい、という気持ちが体から滲み出ていた。

「ニコニコしながらご飯を食べてくれる」

オープンから約1年、吉松さんが一番嬉しかったのはどんな瞬間か、と聞いてみた。
「料理もそうなんですけど、何回か来てくれるお客さんでも初めての方でも、食べてる時ってニコニコしてるんですよね。怒りながらご飯食べてる人っていないから、いい仕事だなって思います」
静かで、でもじんわりと温かい言葉だった。食べる人が笑顔になる瞬間を、毎日のランチタイムに生み出し続けている。
お店はワンオペのため、「時間のゆとりがある方に来ていただけると助かります」と正直に話してくれた。それも含めて、吉松さんらしい誠実さだと思う。

夜の利用も、前もって相談を

実は、あまり知られていないサービスがある。法事や職場の飲み会など、前もって連絡をもらえれば夜の営業にも対応してくれるとのこと。
「こんな使い方もあったのか」と思った方は、まずはインスタグラムかお電話で相談してみてほしい。
お弁当の配達も行っており、まとまった注文があれば対応可能。コメリに買い物のついでに立ち寄る人、歩いて来る近所の人、お昼だけのためにわざわざ足を運ぶ人。
そのどれもが、きちきちさんのだいどころのお客さんだ。


メニューが豊富でなくていい。派手でなくていい。ただ、知り合いの家に帰ってきたような気持ちで、おいしいご飯を食べられる場所があれば、それで十分だ。
肝付町後田、コメリさんの隣。定休日は水曜日、店内飲食は11時から14時まで。お弁当は売り切れ次第終了なので、早めに訪ねてみてほしい。


きちきちさんのだいどころ(肝付町後田・コメリ隣)

営業時間:11:00〜14:00
定休日:水曜日 夜の利用・配達は要相談/インスタグラムで最新情報を確認


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