放送日: 2010-05-01 文化・伝承

さつま狂句|花で作ったゴジラと、退職の日の花束――2010年5月1日のさつま狂句

出演者: 日高山伏(やんぶし)、中村なおみ

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番組名:さつま狂句


1.番組と今回の題

2010年5月1日放送の「さつま狂句」では、日高山伏(やんぶし)さんと中村なおみさんが進行し、4月の句会で詠まれた「兼題:花」の句が紹介されました。
この回では、4月の句会で「花」を題にした句が取り上げられました。放送では、花を題材にした二つの句を紹介するとともに、さつま狂句を作る際の「音」の数え方についても詳しく説明されています。
特に後半では、薩摩弁独特の「しゃ」「ちゃ」「つ」などを、句の中でどのように数えるのかが話題になりました。小さい「つ」は一音として数え、「チャ・チ・チュ・チョ」などは二つの文字で一音として数えるという説明です。

2.花フェスタに現れた、かわいいゴジラ

花フェスタ 花で作った 可愛ぜゴジラ
作者:安楽 雪ん子

標準語では、「花フェスタで、花を使って作ったかわいいゴジラ」という情景です。
この句について、放送では花のイベントで作られたゴジラの姿が取り上げられました。「ゴジラ」といえば大きくてごつい存在ですが、花で作られたものは少し小さめだったのではないか、と話が広がります。
そして、その花で作ったゴジラを見ながら、子どもたちが笑ったり楽しんだりしている様子が想像できる句として紹介されました。花の美しさだけを詠むのではなく、花で作られた作品と、それを楽しむ子どもたちまで一緒に描いているところが、この句の面白さです。
この句に対する唱は、

子どま一緒い 写真どん撮っ

です。
花で作られたゴジラを前に、子どもたちと一緒に写真を撮る――そんな楽しい場面につながる唱になっています。
放送では、「花といえば、やっぱり春という感じが出てきますね」とも語られました。花のイベントを舞台にした句から、春の明るい雰囲気が伝わってきます。

3.退職の日、いつもと違う女房の姿

続いて紹介されたのは、花束をめぐる夫婦の情景です。

退職た日に 喋繰い女房が 黙っ花束
作者:井之上 三ちゃん

標準語では、「退職した日に、いつもよくしゃべる女房が黙って花束を渡す」という情景です。
この句について、放送では「しゃべくい」が、しゃべりまくる、よくしゃべるという意味で説明されました。普段はよくしゃべる女房が、夫の退職の日には何も言わず、花束をそっと渡す。その場面が目に浮かぶ句として、出演者からも好意的に受け止められています。
特に印象的なのは、普段との違いです。いつもなら言葉が多い女房が、その日だけは黙って花束を渡す。言葉がないからこそ、そこに込められた気持ちが伝わってくる――そんな夫婦の姿が語られました。
この句に対する唱は、

ご苦労さんち 心を込めっ

です。
「ご苦労さん」と心を込めて、夫に花束を渡す。放送では、この唱についても「本当にこもってる感じですね」と語られ、夫婦の節目にふさわしい情景として受け止められました。
そして、この場面から「夫婦の絆」という言葉も出てきます。花束という小さな贈り物に、長い夫婦の時間と感謝の気持ちが重なっているようです。

4.さつま狂句を支える「音」の数え方

この回の後半では、さつま狂句を作るうえで大切な「音」の数え方についても説明がありました。
さつま弁では、標準語とは少し違った発音や表記があるため、五七五の音を数えるときに迷うことがあります。放送では、「しゃ」のような音は一音として数え、小さい「つ」は詰まる音として二音になる場合があることなどが説明されました。
また、「もどいみちゃ」のように、さつま弁ならではの言葉をどう数えるかについても具体的に話されています。
句を作るだけでなく、さつま弁の音そのものを楽しみながら五七五に整えていく。そんなさつま狂句の面白さも感じられる放送でした。
花フェスタで子どもたちが楽しむゴジラと、退職の日に黙って渡される花束。あなたなら「花」という題から、どんな暮らしの一場面を五七五に詠んでみますか。


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